1980年代から90年代にかけてのクルマ、見るたびに「急いで」乗っておかねばならない!とつい気持ちが先走ってしまうものです。技術的にも様々な先進テクノロジーを盛り込みつつ、自動車が本来持って生まれたオーセンティックな魅力、仕掛けをベースにしている最後の時代のクルマのように感じるからです。
そしてそれにも増して、キャラクター的に自動車が誕生以来持っている速さへの挑戦、デザインの重要性などを意識して作っていた最後の時代のように感じるからです。(それ以降も魅力的な車はありますが、効率やコストといった制約下に置かれるようになってきました。あくまでも自然に魅力的なクルマを、という最後の時代だったのではないかと思うのです。)
CAR MODEL
MERCEDES-BENZ 190E 2.3-16
自動車の歴史とともに歩んできたメルセデス・ベンツ。W201の登場は、より民衆にも魅力を実感して欲しい、メルセデスの精神を知って欲しいと開発された、それまでにない、広く民衆を意識したモデル。現代のラインナップへも通じる始祖とも言えるモデルです。
しかも、他社へ提供したりはしていても、他社のチューニングをしたエンジンを搭載するというのは、これ以前も以降でも、メルセデスベンツとしては極めて異例なこと。しかもしっかり当時の速度記録を叩き出していたり、単なる「記憶に留めておくべき」一台とはわけが違います。プレーンでスマートなブルーノ・サッコの傑作であるデザインを、その凛々しさは踏襲しつつ決して崩していないアピアランス。間違いなく動く個体はしっかり乗っておくべき一台でしょう。当時のデザインのAMGホイール、カーボンボンネットなども、さりげなくも「飾っておくだけ」を許さない一台と言えるかもしれません。
Photo: Ryosuke Ogawa
Text: Kentaro Nakagomi
今この時代のモデルはいずれも人気が高まっており、ネオクラシックといって持て囃されています。しかし、愛でるだけではなく、シフトチェンジの一回一回、アクセルやブレーキを踏むほどに、その瞬間「あの時代と戯れることができる」ことが魅力ではないでしょうか。自動車史の1ページがここにある。そんな一台をガレージに迎え入れてはみませんか?
MERCEDES-BENZ 190E 2.3-16
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メーカー
MERCEDES-BENZ
車種 / グレード
190E 2.3-16
年式
1985年
エンジン
2300cc
走行距離
130,000km
ミッション
MT
ハンドル
左
車検有効期限
2年付き(車検費用込み)
エリア
群馬県
カスタム / 整備詳細
外装
エボ1フロントバンパースポイラー
エボ1ウィング
カーボンボンネット
AMGホイール(リプロ)
内装
オリジナル
シートは8万km時点で交換済み
機能
基本オリジナル
車高調付きショートストロークダンパー
その他
納車時はシフトノブを新品に交換予定
190Eを専門に扱うメカニックが所有していた車両
マイナスポイント
運転席ドア上部のクリア塗装の浮き